u12

☆FC SAKURA 韓国遠征について 7/21~7/24

2010-09-02
2010年7月21日(水)~24日(土)大韓民国大邸広域市・慶山市で標記の活動が実施されました。
結果は以下のとおりです。

7月22日(木)

@慶山小学校
この小学校のグラウンドは人工芝でサッカーコートが実線、トラックが破線で描いてあるサッカー専用グラウンド。
※(写真は慶山小学校グラウンドと校舎)
韓国では国の協会に登録されている小学生チームは250チームしかなく、日本では7000~8000チームあるので、どれほど選抜されているのかが伺えます。

am  vs慶山小学校 25分1本 0-4

韓国での衝撃的な幕開けでした。
体の大きさ、スピード、展開の速さ、一気にゴールへ向かう姿勢、どれも大きな差がありました。
SAKURAの選手の上手さや判断力を完全にねじ伏せられた試合でした。
また、サッカー部ではない小学生30人くらいがスタンドに応援にきて「テーハミング」の大合唱をしていました。
私が選手に指示しようとするとその声がさらに大きくなり完全にかき消されました。
超アウェイな環境が、外国で試合をしているという実感を増幅してくれました。

am  vs三井千葉SC(千葉県全国予選ベスト4) 25分1本 2-0

三井造船グループがバックアップする千葉県のクラブチームとの対戦でした。
予定にはありませんでしたが、同じ会場に来た関係で対戦が実現しました。
1試合目の試合があまりにもパワフルだったので、少しの余裕を感じてサッカーが出来ました。
日ごろのSAKURAのトレーニングでの成果と各自のコミュニケーションが向上してきた成果が出ました。
関東の強豪チームと対戦して勝利できたことは、自分たちの力が向上しているという自信になりました。
7月初めに奈良県で大会参加した時よりも格段に良くなっていました。

pm  vs半夜月小学校 25分ハーフ 0-4

午前の慶山(サドン)小学校ほどのパワーはありませんでしたが、ゴールへ向かうための戦術を徹底され、また、攻守に渡る個人能力の高さに圧倒されました。
自分たちのペースでサッカーが出来ない、その理由に相手チームの個人・グループでのボールを奪う能力の高さを感じました。
パスの出し手と受け手の重いが一致して、ボールも思ったところに正確に出さないと、相手に奪われてしまいます。
何とか前線でタメを作って“自分達らしさ”を出して戦いましたが、得点することは出来ませんでした。

7月23日(金)

@江邊3球場
日韓W杯での練習場で試合をさせていただきました。
日本でたとえるとJヴィレッジになると思います。

am  vs半夜月小学校 25分ハーフ 0-3

少しは韓国のチームに慣れてきて、個人個人が少しずつ良いプレーが出来るようになってきましたが、そこにある『埋められない差』を乗り越えることは出来ませんでした。

pm  vsパンヤウォール小学校 25分ハーフ 1-3

最後の対戦はお互い試合の出場機会の少ない選手同士で戦いました。
そのなかでSAKURAの選手層の厚さが証明されたと思います。
韓国チーム相手の最初で最後の1点は、出場機会の少なかった選手が、相手を抜いて出したスルーパスから生まれた『個人技からの崩しの1点』でした。

※このような機会を与えていただいて幸せに思っています。
われわれを韓国へ導いてくださった『さくらとむくげの会』への感謝、そして大歓迎してくださった大邸広域市のサッカー協会の皆様への感謝等々つきないものがあります。
韓国での市役所や議会での大歓迎、また、日韓W杯のスタジアムへの訪問は、観光では成し得ない『国際交流』という経験を大いに体感できたものでした。
選手たちの多くは、初めて外国へ行く、初めて飛行機に乗るなど、初めて尽くしの選手も多く、緊張もしたでしょうけどワクワク嬉しそうな顔を見せてくれていました。

※サッカーに関しては、記事にもふれましたが『埋められない差』があるのは事実です。
・身体能力の差
韓国の関係者が「韓国の子どもは大きくなってしまった。」と言われるように、大きい選手は別格な体格をしています。
その原点は『食べる』ということです。
歓迎会で日本の子どもがバイキングでデザートを食べているとき、まだまだ普通の食事をしています。
日本の子どもが食べ終わってしばらくしてからやっとデザートを食べはじめ、大盛りの果物を何回もおかわりします。
生活の一部の『食べる』をとっても大きな差を感じました。
(27歳の小森田コーチ 170cm弱が韓国の選手に「おまえの背番号は何番だ?」と間違えて聞かれるくらい、韓国の選手は大きくたくましい!)
・大陸の子?
昨年度もそうでしたが、子どもたちはすぐに仲良くなります。しかし、最初に飛び込んでいくのは韓国の子どもです。
この『差』も試合でのパフォーマンスの差としてあらわれています。
・文化の差
大邸広域市のサッカー協会の方々に並々ならぬ歓迎をしていただきました。
正直ここまでお世話していただいて申し訳ないという思いでもありました。
この協会の役員の方々はサッカー選手としても極められた方が多いことに驚きました。
元韓国代表が4名、元Kリーガーが数名、プロでなくてもユニバーシアード代表だった等、自分たちが生まれ育った街に根付いて地域貢献されていることに感動しました。
また、サッカー選手として国の協会に登録してもらえる選手が極端に少ないという事実から、サッカーに対する厳しさという文化もうかがえました。

※今後に出来ること
サッカーの試合内容からして、恩恵があるのは日本のチームだけか・・・
という感想です。
1年2年では埋められない『差』をそのままにしてこの交流を続けていくことにサッカーだけを切取ると心苦しい気持ちです。
この『差』を埋めて、また乗り越えていくことが一番の恩返しです。それを目指さずして参加することはできません。
日本の環境も改善すれば、もっと良い選手を育成できると思います。
ただ、食事においても“好き嫌い”や“小食”という甘えがある限り一生この差は埋まらないでしょう。
そういうたくさんの甘さをクリアして、指導者も日々努力し自分の指導力を上げつづけて、いつか韓国のチームに、「日本から学びたい」という思いを引き出したいと思います。

※国際交流
事前研修が必要だったと思います。
“自分たちの立場”“言葉”“韓国での生活の注意点”“渡航の注意点”
それぞれの研修抜きにしての参加は非常に軽いものになってしまうことが分かりました。
サッカーの選抜としてのトレーニングは昨年以上に時間を掛けて積み重ねましたが、立場や文化の理解不足での参加は、次回は無いものにしたいです。
選手たちが“何が何か分からず、やってもらっているだけ”になってしまう可能性があります。
国際交流を選手レベルでもっと体感してほしいので研修もレベルアップするべきです。

※感謝
この国際交流実現にご尽力いただいた日韓関係者の皆様に感謝。
サッカーの現場で協力してくださったスタッフの皆さんに感謝。
この国際交流を理解していただき子どもを預けてくださった親御さんに感謝。
この機会に大人を成長させてくれた子供たちに感謝。
たくさんの感謝につつまれた活動に参加できた心から良かったと思っています。